光通信網の普及に、間違いなく一躍貢献した計測器にあげられるであろう同機種は、工事会社やレンタル会社よりの圧倒的支持により、安藤電気の通信計測器としては、最大のヒット商品となりました。
その人気の秘訣は何だったのかを当時を振り返って語ってみたいと思います。
ユーザビリティ(使い易さ)の徹底追及が功を奏した
1997年に、AQ7220Cをリリースしたばかりだというのに、この機種は1998年12月に発売開始されました。
いったい何なのでしょうか?このスピードは!
当時、ひたすら驚きました。
どうやら北米市場でも、その使い易さが非常に評判を呼んだらしく、2000年頃のITバブル時代には、納期が3ヶ月以上掛かっていたほどでした。
その人気の秘訣は、ユーザビリティ(使い易さ)の徹底追及でした
現場側で要望されていることを、徹底的にヒアリングして声を吸い上げ、製品の企画設計に盛り込んだのです。
この姿勢は大いに見習うべきものがあります。
その中で、最も要望されたのが、本体電源で稼動するプリンタユニットが欲しい、というものでした。
感熱紙式プリンタユニット搭載
もう旧式になってしまった感熱紙に打ち出す熱転写方式のプリンターユニットでした。
どこかのプリンターメーカーに急遽カスタムで作らせたのでしょう。
アンリツなどの他社製品では、専用プリンタではありましたが、本体に装着は出来ず、外部電源で稼動するので、現場側で打ち出すのはかなり不便でした。
このプリンタユニットがあることが最大のウリになり、NTT-RECのカタログなどにもそれが大きくアピールされていました。
ですが、今最新の機種には、もはやオプションラインナップにも存在しなくなってしまいました。
現在、波形打ち出しは、パソコンからのプリントアウトが主流となっていますが、それに使用するOTDR波形解析ソフトは、その当時からAQ7931として、存在しておりました。
当時は、パソコンが使える人がまだまだ少なく、波形データはプリントアウトして、いちいち一枚ずつその紙を糊で貼り付けていました。
Windows XPには対応していなかったため、その次のOTDR波形エミュレーションソフトウェア AQ7932へと引き継ぎました。
記録媒体メディアもしっかり装備
3.5インチ フロッピーディスクドライブ
PCMCIAスロット
まだまだ欠点はあった
しかし、今考えてみると、
電源とバッテリが同じコネクタ入力口
液晶画面の強度が弱すぎたり、
液晶画面も少しナナメから見ると見えなくなってしまったり、
あまりよろしくないところが多かったのも事実でした。
ここらは、次機種であるAQ7260、7270、7275へと変わっていく中で改善されて行く事になりました。