光ファイバ伝送路の融着、コネクタ接続ロス、反射具合や距離を波形として診断できる計測器。
光ファイバ敷設作業の完成図書の書類データ取りとして不可欠(だった?)計測器。
定期メンテナンスにても、故障破断点の即座に把握できる根強い需要のある計測器。
ですが、
光パルス試験機とも言われたり
OTDRとも言われたり
(一部では、光ファイバアナライザとも言われたりしています。)
しています。
これは一体どういうことなのでしょうか。
工事会社は始めから施工技術があったわけではなく、当然レクチャーを請けている訳ですが、その指導元がどういう言い方をしていたのか?
によって言い方が分かれているようです。
光パルス試験機の場合
これは、ズバリNTTアクセスサービスシステム研究所(通称:AS研)が使っていた呼び方でした。
幹線、中継にて、光ファイバ網のインフラ工事に取り組んでいく際に、請け負うNTT工事会社は総じて「光パルス試験機」と言う呼び方で統一していました。
今でも、特にご年配でベテランの方は「OTDR」と言われると何の計測器か分からないのが現状です。
OTDRの場合
NTT以外の民需?官公庁インフラで使われている呼び方ですが、要するにこちらが『メーカー側がそう呼んで欲しい』呼び方なのです。
Optical Time Domain Reflectometerの略称でして、あの計測器業界の王者 米国【アジレントテクノロジー】(当時はヒューレットパッカード)が命名した計測器名称です。
今ある日本国内の計測器メーカーは、ほぼどのメーカーも例外なくこの巨人に憧れて見習って設計開発してきた経緯があり。
計測器メーカーがNTT以外の通信事業者や工事会社、官公庁インフラ担当者へはOTDRという呼び方でレクチャーしていったのですから、そうなって行きました。
国内の2大メーカーとして、アンリツ、安藤電気(現在、横河メータ&インスツルメンツ)がありますが、
共にNTTより指導を請けて計測器を開発生産して提供されてきました。
ですので、アンリツ:光パルス試験機、安藤電気:光ファイバアナライザ。
と言う商品名称でリリースされていたのですが、
ここ近年、アンリツ:アクセスマスタ、安藤電気:OTDR、マルチフィールドテスタと一般受けしやすい?ようにその名称を変更しています。
あなたは、どちらの呼び方を好みますか?
仕事のやりとりがスムーズに行く呼び方が一番なのは言うまでもないでしょうが、こういう豆知識があると計測器にも愛着が沸いてくるのではないでしょうか。
末永く大事に使いくださいね。