明治時代 日露戦争に向けて「三六式無線電信機」という世界最高水準に達していた無線機を持っていた。
その無線電信機を開発したのが、安中電機製作所(現アンリツ株式会社)。
そう、あの日本海海戦にてバルチック艦隊を対馬沖で発見した際に、「敵艦見ユ」「本日晴天ナレドモ波高シ」と打電した際に使用された無線電信機。世界最高峰の艦隊と言われたバルチック艦隊でさえも、艦船同士の通信は、伝統的な旗を使ったやり方でしかありませんでした。それが海戦で世界で初めて実践の場で使用された。日本海海戦の影の主役とも言われたあの無線機。
あれはアンリツ製だったのです。
通信機メーカーというと現在の日本には、日本電気(NEC)、富士通、三菱電機と言うようなそうそうたるメーカーがありますが、実はこのアンリツの取り組みから始まったようです。
あまり知られていませんが、緑色したテレホンカード対応のNTT公衆電話は、大部分がアンリツ製を占めていたようです。
通信機にも取り組んではいますが、ごく一部のニッチな用途のみ取り組んでいるスタイルで、むしろ評価開発用計測器を主力として注力して事業展開されていますね。
帝国大学工学大学 助手を務めていた安中常治朗が明治33年(1900年)創業。
後に共立電機と合併して、安立電機となり、日本電気(NEC)系列入。現在のアンリツは社名変更しただけとのこと。
同じくNEC系の計測器メーカー:安藤電気(2002年横河電機に買収される)と兄と弟のような関係に言う人も居た。
(2011年: 日本電気(NEC)が保有株式の大半を売却して傘下から外れる)
1981年には、世界初となる光パルス試験機(OTDR)を開発。
1996年には、ミニOTDRも世界初で開発。販売開始。
ですが、どちらか言うと、研究開発、製造メーカー向けのスタンスで、工事業者向けの姿勢が欠けていて、あまり評判はよくはありませんでした。
そこには、弟分?の安藤電気が工事業者向けの要望を汲んだ製品開発を進めて、幅広い工事業者に支持を集めました。現在の横河メータ&インスツルメンツにも継承されています。
*現在のアンリツOTDRは、工事業者向けに開発されて支持を得てきています。
同じNEC系。同じく電電公社出入りメーカー企業同士。
と言う間柄で、ライバルメーカーでありながら、社員同士はどこか親戚的な感覚のあるような雰囲気が感じ取れたのは気のせいでしょうか。。
ここ近年は、モバイル基地局向け計測機器や基幹伝送路ビットエラー試験機などが好調でまだまだ勢いが感じられる国内では貴重なメーカーです。
高周波系計測器メーカーは、海外勢がひしめく中、純国産メーカーとして今後も日本を代表してリードしていっていただきたいものです。