特に光接続をされている方にはおなじみの
光ファイバアナライザ(OTDR)、光マルチメータ、光パワーメータ、光源
のメーカーとして知る人ぞ知る有名企業であり、半導体テストシステムメーカーでもあった
NEC系計測器メーカーとして長らく活動していた
安藤電気(現在の横河計測)をご存知でしょうか。
工事会社に気の利いた
「使い易い、見やすい、データ処理しやすい」
その系統の最新機種 AQ7280
3拍子揃ったOTDRが日本のみならず世界的にも大ヒット商品となり、
海外では北米がメインだったのが現在はアジア圏からロシアでも人気機種となっています。
ここらへんは以前に書いた記事
空前の大ヒット機種 miniOTDR AQ7250 安藤電気
に詳しく述べております。
そんなメーカーでしたが、その末路は悲惨なものでした・・・
光計測器は絶好調だったにもかかわらず、それを埋めきれない大赤字部門があったのです・・・
理化学,メカトロ系計測器からITエレクトロニクス&光通信計測器メーカーへと変貌を遂げた
1933年創業の会社で2001年に横河電機に買収されるまで約70年の歴史を持っていました。
画像はLCRメータ
tanδ(タンデルタ)値という誘電体損失測定器やLCRメータなどの理化学系計測器やメカトロ系のギア比の測定やマーキング装置などのメーカーとして有名な会社であったようです。
末期は8年連続赤字が続いていた
半導体テストシステムにて、電子産業のキーパーツであったためなのか、
主にIC/LSIのロジック系のテストシステムに力を入れるようになり、
需要の多かった台数の売れるメモリ系のテストシステムで、アドバンテストに大きくシェアを取られるようになってしまい、なかなか業績が奮いませんでした。
親会社のNECの移行のあったのか、辞めることも簡単にはさせてもらえず、最後まで続けることになっていきます。
NECの計測器部門でやり直せばいいじゃないか、などと社内で囁かれる声を何度聞いたことか、聞こえてしまったことか知れません…
2003年横河電機の完全子会社となって以降、共に働いて来た社員の方々が散り散りになって行く様を目の当たりにされて唖然となったのは、10年過ぎた現在でもまだ続いています。
買収された企業の社員が受ける親会社からの扱いの厳しさを間接的にではありますが、感じてしまいました…
主なプロダクツとその行く末
【ATE関連】ICテスタ、オートハンドラー
→横河電機の事業へ吸収される
【光関連】光スペクトラムアナライザ、OTDR、光パワーメータ、光源
→横河メータ&インスツルメンツ へと移管
【データ通信関連】プロトコルアナライザ、SDHアナライザ、トラフィックテスタ、モデムテスタ
→横河メータ&インスツルメンツ へと移管
取扱いメーカーだった米国サンライズテレコム製品は、販促責任者だった社員が独立して、
メインテクノロジー を設立して営業開始
【無線関連】無線機テスタ、PDCチェッカー
→横河電機の計測器事業へ吸収されたのち、廃業となる
【NW装置関連】DSU、メディアコンバータ
→横河電機の通信事業本部へ移管
【デバイスプログラマ】ROMライタ
→安藤電気時代から提携関係にあったフラッシュサポートグループ(現在は東亜エレクトロニクス)へと移管して、営業開始
【メカトロ関連】マーキング装置、寸法計測装置、プリント板加工機、UV計
→同事業部門で責任者だった安藤電気社員が独立して設立したベクトルへと移管して、営業開始